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『眠れる森』-「真犯人」佐久間由理の悲恋 [拝啓 野沢尚さま]

-「2ヵ月後に他の人と結婚する女を、向かいの部屋からじっと眺めてるの?」
-「彼女と彼氏が泊まってく夜は、ここでどんな気分?」
-「いつも指をくわえて見てるの?」
-「部屋の明かりが消えたのを見て、頭かきむしってヤケ酒でも飲んでるの?」

   「帰れ」

-「イヤよ! 抱かれに来たんだって言ったでしょ!」
-「ここじゃわたしを抱けない? 操を立ててるの? 他の男にいつも抱かれてる女なのに」
-「義理堅いのね」



 「・・・はやく脱げよ」
 「抱かれに来たんだろ? はやく脱げよ」
 「なにトロトロやってんだよ、オラ」
 「ここで抱きゃいんだろ? なに泣いてんだよ!!」

第6幕の名シーンだ。
由理は、もう直季の気持ちが自分に戻ってこないことを知っている。
しかし直季の苛立ちをぶつける場所は由理にしかない。
由理はそれにも気づいていたのだろうか。

傷ついている人間は退屈を知らず、
粘着質で、疲れる事を知らない。
時間を忘れ、早く楽になりたい、楽にさせてくれと悶えながら救いを求める。
そして、ひとたびそんな状態から脱する事ができそうな精神状態まで回復を見せると、
今度は費やした時間を思い返し、
まだ忘れたくない、
もう少しこのままの気持ちでいたい、などと、
どこか腹立たしい気持ちになるから不思議だ。
最期を迎えようとしていた由理は、平穏を得たからこそ、あの行動に出たのだろうか。


野沢さん、東京に今年2回目の雪が降っています。
この前のは、かなり積もったけど、今回のはそれほどでもないみたいです。
話は変わって、先日『群生』のプロットを拝見しました。
僕にはわからない。
なぜですか?
なぜ、『群生』を作品としてこの世に残してくれなかったのでしょうか。
みんな悔しがっていますよ。
とても残念です。

最近の僕は、一語一句に不安を感じながら書いています。
誰にどこをどのようにして見透かされるのか。
読み飛ばされるのか。
そんな事ばかり考えてしまいます。 


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