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『眠れる森』-「暴行」濱崎輝一郎の心境 [拝啓 野沢尚さま]

「今と、未来だけで人間は生きていける。俺がそれを証明してやるよ」

そう実那子に言い聞かせた濱崎輝一郎。
だが、「過去なんかもうたくさんだ」と思っていたのは彼自身であろう。

眠れる森の主要人物の中で、
私がもっとも感情移入しにくかったのが、この濱崎輝一郎だった。

しかし、中嶋敬太の気持ちと重ね合わせる事で、
彼の苦悩を理解しようとも思った。
これは、おそらく野沢さんの術中にはまったのだろう。

―愛する人を自分のものにする。
 そんな彼らの手段を肯定できないだけに、
 「じゃあ、どうすれば心は安らぐのか」と言われれば、
 答えなど出せずに考え込んでしまうだけだ。
 
 そう、だからこそ、テーマに成りえるのかもしれない。
 

野沢さん。
奥様のブログ、いつも隠れたところから拝見しております。
僕は、「死」についての考え方を未だ完結させる事が出来ずにいます。
問題は、その人にとって最良の選択肢が「死」だったのかどうか。
とゆう事。

最近は、むしろ人生のスタートラインについて考える事が多いです。
野沢さんのスタートラインが、25歳の脚本家デビューだとしたら、
その時々のゴールには、『江戸川乱歩賞』や『文化庁芸術作品賞』、
『向田邦子賞』などがあった。
それを考えると、
僕のスタートラインは、自宅から競技場へ向かう横断歩道ぐらいにあって、
ゴールがあったとしても競技場の控え室ぐらいなもんじゃないかと思えてきます。

言われる前に言っておくと、そんな人間がほとんどなんですよね。
それでもこの人生を生きていく。
「今と、未来だけ」
先の知れた未来。
それを変えてみせると強く思い続ける。
今の僕は、そんな力すら失いかけています。


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