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三億円事件 [シナリオ・映画・ドラマ]

三億円事件-40年目の真実という番組を見た。
事件を追い続けた刑事の視点から描かれていて、意外にも新鮮な感があった。

これまでに自分は、2本の三億円事件を見てきた。

1本目は、主演:織田裕二の『新説・三億円事件』。
今回の40年目の真実にも登場した白バイ警官の息子が真犯人であるという過程の元、
物語は進み、悲劇的な結末を迎える。

自分は、三億円事件の犯人とは、
誰も殺さず、誰も損をしなかった(奪われた約3億円は海外の保険会社が補償した)
から、という理由で英雄視していた。
しかし、第3者が疑われ、それにより死者が出ている。彼らは、三億円事件の被害者なのだ。
それが今回の番組では明確に提示されていて、視点の恐ろしさを痛感した。
この事件の本当の闇を見た気がした。


2本目は、原作:一橋文哉 脚本:矢島正雄 主演:ビートたけし による
『三億円事件 20世紀最後の謎』だ。
DSC00708.JPG

原作はノンフィクション。そこに人物達の人間臭さは見えてこない。
しかし、映像化されたそれは、夢を追い求めた犯人の孤独さ、儚さが潜んでいた。
主演のビートたけし、ジョー役の長瀬智也、ロク役の松田龍平、あねご役の瀬戸朝香の存在感も
凄かったし、ルポライター役・渡部篤郎の葛藤・変化は圧巻だった。何度見ても泣いてしまう。
ちなみに、ロクの姉役は、私の好きな女優さんのひとり、木村多江さんが演じていた。
(そういえば、野沢さんのドラマ『水曜日の情事』にも出演されてましたね)

なぜ、ノンフィクションの原作をここまでの作品に仕上げる事ができたのか。
第三者の私がこんな事を言うのもおこがましいが、
おそらくテーマの中に『友情』の要素を入れる事が出来たからではないだろうか。
『友情』のアンチテーゼは、『裏切り』『不信感』だろうか。
それらの葛藤を織り交ぜながらの旋状回想法。
(古くは、映画『羅生門』の手法。ハリウッドなどではラショーモン・アプローチと呼ばれている)
そして、それぞれの回想が終わるたび、
必ず誰かしらに何かしらの変化を作り出し、最後は切なさの残る『友情』に回帰した。

以来、私は野沢ドラマと同じように、矢島正雄と聞けば、その作品を必ず確認するようになった。

タグ:三億円事件
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